12月・・・2011年も残すところあと僅かとなりましたね。
そろそろ、忘年会のお誘いもチラホラと舞い込んでまいります。飲み過ぎ注意、なんて言ってられないか・・・
おかげさまで11月に発売となったQUADRIVEもミュージシャンの皆様/各誌面等で高い評価をいただいております。ありがとうございます。
Genius Overdriveに続くドライヴペダルとして、ナチュラルなサウンドを目指した結果、想定外のミュージシャンの皆さん(例えばフラットワウンドでプレイされるジャズプレイヤー、そしてベーシストやヴァイオリンプレイヤーの皆さんまで!)からも評価をいただいております。
そんなQUADRIVEの開発と同時進行で、実はあるペダルの製作も行われておりました。
それがいよいよ近日、限定発売が開始される「Spreader」というアナログ・コーラスペダルです。
本日サンプル到着! |
このスプレッダー、実は元々、6年程前(!)に企画が上がったものでしたが、どうしても音作りに納得できずに頓挫していたプロジェクトなのであります。
その頃、松下(パナソニック)社のMN3007というBBDが生産完了します、という知らせと共に、一気に市場から姿を消しました(某海外有名ブランドの親分が買い占めた!という有名な話もあります)
現在、海外にはMN3007の類似品を生産する工場がある様ですが、やはりオリジナルの品質とは異なります。
そんなおり、往年の銘器と呼ばれるアナログコーラス/ディレイの多くに搭載されたこのBBDが、ある程度まとまった数量手に入ったので「これは是非、コーラスを作りましょう」と言う事で、クルーズでも製作をはじめました。が、しかし!これが意外に難しい。
単純な「何かのコピー」(基本的に殆どのアナログ・コーラスは同じ様な回路構成を持っています)ではつまらないし、そういったものが欲しいワケでは無かったので、新しいテイストを加えたコーラスを作りたかったのですが・・・思い通りには行きません。
コーラスを多用する皆さんであれば、単純に「揺れればいい」「エグイ音」では納得できない何か、があるハズ。
単純な「揺れ」を求めるのであれば、「コーラス」という名の付いたエフェクトを手に入れれば満足できるかも知れません。
しかし、楽曲を演奏した時にその音が存在感を持ちながらも、楽曲にとけ込めるかどうか?
「アナログならではの太い音」とはよく言いますが、「本当にそんなに太い音である必要はあるか?」という疑問も同時に浮かびます。勿論、現行品でも素晴らしいコーラスは沢山あります。でも、そのどれもが持っていない「コーラスの音」が存在します。気に入ったコーラスを使用したり、良いコーラスの音を求めると、実は肝心なのは「線の細さ」なんじゃないか?という気もしてきます。
そこで、我々が求めた仕様とは
アナログで
モノラルで
きちんと楽器のレンジに揺れが引っ掛かって
それでいて広がりがある!
という、昔ながらの「いいコーラス」でした(笑)
もちろん、今回もコピーやモディファイ物ではありません。所有するヴィンテージペダルや経験した銘器のサウンドは頭の中でシュミレートしましたが、所詮回路をコピーしても同じ音にはなら無いという事はハッキリと解っていましたし・・・
でも理想の音はハッキリとしていました。ではその音は一般的なコーラスと比べてどう違うのか?
数名のギタリスト/ベーシストの意見もやはり大変参考になりました。段々、フォーカスが絞れてくる・・・
6年前に頓挫した計画。
そろそろ・・・・
「もう一回、コーラスやってみましょうか」
かくしてコーラスプロジェクトは再始動するのでした
(続く)