2/10/2011

OSシリーズ#2

そして、我々がこのギターに搭載するピックアップの候補に選んだのがサイトーンピックアップです。
サイトーンピックアップは、国内の有名ヴィンテージショップをはじめ、多くの有名店からもその腕を見込まれ、楽器修理を頼まれるSGK/齋藤楽器工房の代表者、斉藤氏の製作するピックアップです。

斉藤氏はヴィンテージピックアップの巻き直しや修繕を長年行ってきたなかで、ピックアップ製作のノウハウは習得していましたが「トーンを作り上げる」という行程においては「目前に靄がかかっていた」のだと言います。ここに、マテリアルや巻数、直流抵抗値では理解できない「音を作るノウハウ」があるからです。

斉藤氏自らもいくつものヴィンテージピックアップを巻き直してきて、ヴィンテージピックアップを巻き直す時と、自らがゼロからピックアップを巻き直す時とでは、その音色が違うと言う事には勿論気づいていたからです。しかし、具体的な製作行程における違いを確信してはいませんでした。
しかし、「あるピックアップ」に出会ったことで斉藤氏は、自らが半場諦めかけていたピックアップ製作に取り組みます。

斉藤氏は過去の文献や自らの経験、そしてヴィンテージのピックアップをもう一度見直し、自分が思うピックアップのレシピに標準を合わせてゆきます。

そして十数年以来の交流がある
弊社代表 吉岡とのディスカッションや
我々クルーズスタッフやミュージシャンとのサウンドチェックの中で、その音色は徐々に磨き上げられてゆきます。

そして、ライブやレコーディング現場でのチェックは、一人部屋で好き勝手に弾いているギターの印象とは大分異なるからです。プロのチェックが必要な理由はここにあります。

そうして完成したSAYTONEピックアップのファーストモデルである"GROWL"は、60年代のシングルコイルを十分に再現しながら、近代的なアンプや周辺機器とのマッチングを成功させていました。初期モデルからの進化に我々も驚きました。確実に「音色」を掴んでいます。

こうして、SAYTONEピックアップはこのプロジェクトの重要な要素の一つになります。

続く