本日はエフェクタ製作時のお話でも。
クルーズ/SVD-001は前回の楽器フェアー(2007年)の時に発表となりました。
おかげさまで順調に販売台数を増やしております。ありがとうございます。
そもそも、何故ベース用のオーヴァードライブを製作したのか?というと、非常に単純な話で、当時周りのミュージシャンの皆さんに一番言われていた事が「ベース用の歪みを作ってよ」という事だったからです。
「ベースで歪ませる人ってそんなにいるのか?」と言う意見もありましたが、特に私の周りのベーシストは、よく歪んでいました。勿論、一部のバースでちょこっと歪ませる方もいれば、全般に歪ませる方もいて、その使用方法も様々。アンプも様々。ベースも様々・・・なのですが、言っている事は皆同じです。
「派手に歪ませてもなにを演奏しているか解る様に」
「アンプっぽく」
「太い音/ショボく無い音」
「格好いい音」
「ファズ以外」と、言ったところでしょうか。
その頃、「こういう音格好いいよね」という話で出てきたミュージシャンのイメージは
/70年代の「歪んでしまっている」ベース
/Discharge
/Sonic youth
/JUSTICEのべースの音
/初期PINK FLOYD/YES/KING CRIMSON
/80's SKATE ROCK & THRASH
/その頃出たBAD BRAINSの新作(Build a nation、というかBeastie boysのベースの音?)
/日本の80's HARD CORE
/HOUSE/TECHNOアーティストが「ロックっぽいミックスをやった時」のベースの音
etc....でした
どちらかと言うとディストーションですね。メインがベースって感じです。
軽い音。だけどいい感じの雰囲気を持ったベースでは?
途中からクリーンベース&オクターブが同時に鳴ってるのが良いですね。
全てのハードコアベースの基本?
ナチュラルな歪み。そして口パクへの反抗。
バッドブレインズのBUILD A NATIONをプロデュースしたADAMのベースの音、いつも格好良いですね。
JAZZフレイバー中に突然オーヴァードライブしたベースがミックスされたり、他の曲も面白い。
PINK FLOYD "ECHOES" LIVE AT POMPEI
これもナチュラルに歪んでます。ちなみにこの上のビースティーのビデオは、このピンクフロイド/ライブアットポンペイの映像へのオマージュです。ちょっとチープな感じとか、いいセンスしてますね。
制作を始める時(今から3年前?)に丁度「エレクトロ」という言葉も広まってきて、ベースが歪んだ音源も良く耳にしました。当然テクノやハウスの場合のベースの音(そもそもエレキベースでは無い場合も多いですが)チューニングが下がっている上に、コンプ/リミッターでバキバキに潰す&波形カットされた音も多く、イメージでしかなかったのですが言ってる意味はよくわかりました。とにかくベースラインがメインで格好いい音なんですね。
60-70年代のベースは歪ませてる、と言うより「ちょっと歪んでしまってる」感じですし、そもそもギターアンプとベースアンプの区別も今程ハッキリとしていない時代。英国アンプも米国アンプもある程度の音量から歪みだしてきて、それが何とも言えず格好良い音。クリーム/ヤードバーズ/ツェッペリンといった元祖ロックバンドは勿論ですが、ビートルズも普通にベースが歪んでいましたよね?今の一般的なベースアンプの様なクリーントーンではなかったハズ。こんな感じで
パンクロックはその「自然な歪み」の流れをくんだ「歪み」でしたが、UK/US "HARD CORE"や"THRASH/SK8 ROCK" そして 勿論 "HEAVY METAL"そして"ALTANATIVE"と呼ばれた90年代からの所謂ユース・ミュージックではもっと積極的にベーシストも歪みを取り入れています。最近でもインストバンドや「ジャムバンド系」と呼ばれるトリオやバンドのベーシストの足下には必ず歪みのペダルが用意されています。勿論、往年のプログレッシヴ・ロックのベースもファズを使ったヴァイオリントーンを効果的に使用していますよね。
ギターみたいなベースリフ(?)でファンも多い方。後半のフィンガーピッキング凄いです。
私もファンです。
ギター、聴こえない・・・良いですね!
何か偏っちゃいましたね&大事な人を忘れてる気が・・・
とにかく歪んだベースは格好いいなと言う事を再確認。そして「歪んだベースの需要」はやっぱり多いのだろうと実感しました。
そんな訳で私自身も歪んだベースの音が大好きだったので、製造会議で企画をプレゼンしてSVD-001の制作に取りかかるのでした
(・・・ちょっと長くなりそうなので来週に続きます・・・)